滝沢歌舞伎2018 in 新橋演舞場公演。先日、自分的千秋楽を終えました。
滝沢歌舞伎を見るようになって4年目ですが、毎回違う発見があってやっぱり楽しかった!新橋演舞場という会場は場所がちょっと入り組んだところにドーンと入口が現れるので、「私たちだけの秘密の遊び場」的な感覚が味わえるのもすき。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
全体の感想
今年の滝沢歌舞伎は演技がほとんど無く、音楽と舞だけで構成される2時間10分。歌舞伎要素もほぼ無く、一言で言うとレビューショー。これから行く方はプレゾンの和バージョンだと思ってた方がギャップが少ないかも。
初回で見た時は正直「この後のチケットお譲りしようかな…」くらいに凹んだのですが、ショーだと思って切り替えて見たらそれはそれは楽しい時間に変わりました。もしかしたら滝沢歌舞伎初見の人のほうが楽しめるかも。
ちょうど滝沢座長が今回の滝沢歌舞伎のコンセプトについて話している回に参加したので、座長の言葉を抜粋。
・今回は悲しいシーンは入れなかった
・言葉ではなく、歌や踊りなどの表現で演じている
・人生の悲喜こもごもの後には、希望の虹がかかるというテーマ
これを聞いてやっと今回の滝沢歌舞伎の内容が腑に落ちた。確かに1演目ごとのクオリティはものすごい高い。表現力の塊みたいな人達ばかりいる今回の布陣も超納得。
さて、ここからは個人的にグッときた演目をまとめてみました。
第4位 記憶のカケラ
座長が中心で歌いながら5人のJr.と1人の女性ダンサーさんが陰影のコントラストと共に、愛する人を失った悲しさを表現するこの曲。滝沢くんは中心で立って歌っているだけなのに、圧倒的存在感と切ない表情で、も~悲しい。でも美しい。
そして5人のJr.の表現力がすごい。表現の暴力。岩本・宮館・佐久間・林というダンス魔人達がそりゃあもう切ない顔してしなやかに踊るのがやばい。両手を上にあげたり、顔を覆ったりする振付は、手の使い方に個性ダダ洩れがすぎて目が足りない!
そんな魔人たちに混ざって選ばれた目黒くんの魅せ方がまた良い。前述の4人に比べるとまだ粗削りなところは残るものの、先輩たちに負けないよう必死に心を込めて踊る姿に目頭が熱くなる。目黒くんは外部舞台でメインを2回も経験しているからか、感情がストレートに伝わってきますね。
次の曲とのつながりの関係で衣装がBoogie Woogie Babyのズボンと白or黒のシャツなのも萌えポイント。たまに戦時中かな?と錯覚することがあるけど、それはそれで切なさが倍増するからよしとしてる。
5人はどんなことを考えながら、あの胸が苦しくなるようなダンスを踊っているのか。いつか聞いてみたいものです。
第3位 五条大橋 時の架け橋
最初に見たときは「林翔太ショータイム…!!」と興奮におののいて、メイン舞台を見る余裕がなかったのですが(ごめんなさい)、途中でメイン舞台でとんでもないことやってんな!と気づいてから俄然好きになった演目。
みどころは3つ。
まずは林くんが2階席から朗々と歌い上げる「時の架け橋」。今年は怪談コーナーが無かった林くんですが、こんなに良い見せ場を用意してもらうあたりに座長の愛を感じる。林くん、やっぱり歌がうまいし声がキレイ。控え目に入るビブラートも気持ちいい。悔しい、でも良いものは良い(複雑な心境)。
2つ目は五条大橋を一生懸命回している黒子さん達。登場時は橋に群がっているホームレスかゾンビかと思い、どうゆう演目なのかドキドキしましたが、まさかあんな速さで橋を回すとは!あれ全力で回しながらもちょうどいいところでピタっと止めるのすごい大変なはず。途中で弁慶&牛若(だよね?)にわらわらする所も含めて本当に縁の下の力持ちです。よく見ると橋の柱の隙間から弁慶&牛若を見ているJr.のつぶらな瞳が見えるのもかわいい。
3つ目は滝沢&岩本ペアの驚くべき身体能力!滝沢くんがフライングでつられて弁慶の薙刀に乗るシーンがあるんだけど、あれ、滝沢くんの足先が薙刀についていることによって向きの調節をしてることに気付いたらもうだめ。「あの高速回転でも牛若と弁慶の立ち位置が変化しない=岩本くんの恐ろしいほどの腕の力+滝沢くんの超人的な体幹」ということ。なにそれ。レベルが高すぎてもう凡人にはよくわかんない。すごすぎる。
第2位 滝沢歌舞伎
今回の滝沢歌舞伎イチ物議を醸しだした演目、滝沢歌舞伎。演者さんがすごく真面目にやっているのでトンチキなのか本気なのかいまだによくわかってない。北朝鮮、エレクトロニカルパレード、マツケンサンバ、と見る人によって感想が変わる不思議さ満載の空間。私は永遠に続く日本舞踊パラパラとポストイットの吹雪がツボで見るたびにニヤニヤしてしまう。
特に阿部くんと林くんの間にギャグかなってくらい束で落ちてくるポストイットはあれかな?なんかのバラエティの罰ゲームかな?
あと、この演目はJr.が烏帽子姿で出てくるのがすごく格好良くて、毎回ドキドキ。勝手に「エボシFive」という名のジュニアユニット作ったので紹介する(ネーミングが安易)。
その1:高貴な顔立ちと知性的なまなざし、貴族代表 ダテ様(リーダー)
その2:すっきりとした目鼻立ちと甘い視線のご婦人キラー なべしょ
その3:キリっと整った眉毛と澄んだ漆黒のまなざしに志の強さを感じる めぐ
その4:笑顔がかわいいみんなのアイドル。老若男女に愛される あべちゃん
その5:グループのマスコット、優しい笑顔の裏には小悪魔性を隠す はやっしー
この5人が特に烏帽子映えしてて、見るたび素敵だなあ~と思ってた。どこかでユニット活動してほしい(願望)。
好き勝手書いたけど、前半の女形の滝沢くんと三宅くんのペアダンスは艶があってとても綺麗。三宅くんの身長に合わせて滝沢くんが中腰でずっと踊っているその筋力にもビックリ。美男美女カップル。
第1位 SPARK
こんなすごい演目を全体のはじめの方に持ってくる大胆さ。もったいない。でもすごい。
そこまでの「ああ~、滝沢歌舞伎にきたな~!」という雰囲気を一蹴する健くんの登場の仕方にハッとする。「Maybe」の一部分を手話で切なく表現したかと思えば、次の瞬間には音もなくスッと柔らかな素材の真っ白な衣装を来たJr.4人が登場。SPARKのイントロがかかった瞬間はびっくりして変な声が出そうになった。昨年のV6ツアー「The ONES」で披露したSPARKがほぼそのままの振付で目の前で披露されてる。
夢かな、と思った。それくらいブルーのスリムな衣装を来た健くんの存在が儚くて。何かを振り切るように踊る健くんがそのままどこかに消えてしまうんじゃないか。4人のJr.は健くんを連れ去ってしまう天使なのかもしれないと。
V6のSPARKはもっと力強くて、6人の素敵な男性が個々の色気を振りまくように軽やかに踊っている印象だったのに、この違いはなんだろう。
バックにつくJr.は岩本・宮館・佐久間・林。今回のバックJr.の中でも特にダンスに定評がある4人。静と動を操る岩本くん、ダイナミックで肉体の力強さを感じる宮館くん、自由自在で重力さえ感じさせない佐久間くん、なめらかでつかみどころのない動きが目を引く林くん。人間離れしたダンスを見せる4人に囲まれて踊る健くんが手を出すたび、髪が揺れるたびにさらさらと何かが溶けていくような感覚に陥った。だから岩本くん、宮館くんが笑顔で踊る姿には正直ゾッとしてしまった。
シティっぽいサウンドでビートも存分に入っているし、たぶん男女の駆け引きを描いている歌詞なのでこんな風に思うのは私だけかもしれない。けどそう思った。
「偽物はイラナイ 見たいのは本当のYOU」
健くんは誰にこの言葉を向けているんだろうか。
番外編 2階3階席でしか見れない景色
今回、初めて2階席、3階席のセンターで観劇して気づいたこと。最後のWITH LOVEでは舞台上に大きな水たまりができているので、バックの映像が水に反射して滝沢くんが桜満開の川に浮かんでいるように見える。バレエダンサーさんが水をはじくたびに、広がる水滴がなんとも美しい。ひらひらと舞い散る桜の花びらも反転して舞台上にある川に降り注いで雄大な情景を映し出していて感動しました。これはわざとそうゆう演出にしていると思います。去年もあったのかな。1階席で見たときは全然わからなかったので、これは2、3階席の特権ですね。
実は2、3階席のほうがバックメンバーが良く見えるということも学んだ。それに滝沢歌舞伎はフォーメーションも凝ってるから、ダンス・殺陣の動きが上からのほうが良くわかる。今回の観劇で断然A席が好きになった。
まとめ
「オリンピックを見据えて、外国の方にもわかりやすくした」という滝沢歌舞伎2018。実際外国人の方はどう見たのかとても気になる。少なくとも私はとても楽しい滝沢歌舞伎ウィークを送ることができました。
今回は御園座もあるということで、新しく滝沢歌舞伎を見る人も増えると思います。「日本の文化」ひいては「ジャニーズの文化」を紹介、表現するために、3年目の健くんが必要だったのかな、なんて感じています。
上記に書いた他にも、五関様が振付したリニューアルした「いにしえ」がかっこいい、Jr.曲がイケてる、逆転ラバーズがかわいすぎる、鼠小僧のハチャメチャ感、など今年もみどころ満載の滝沢歌舞伎。「考えるな、感じろ」のジャニーズイズムとワクワクした心で色んな人に見てもらいたいな~と思える舞台です。
まだまだ公演は続きますが、千秋楽までトラブルなく無事に走り切れることを願っています。