泣いて笑って夢見る明日

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「その日」が来る前に~舞台DAY ZEROレポ

へいへーい!我らがふぉ~ゆ~のリーダー福ちゃんこと福田悠太さんが初の単独主演を務めた舞台「DAY ZERO」を見におしゃれな街、青山まで行ってきたよ!

土曜日夕方の青山は歩くもんじゃないね!どこもかしこも結婚式帰りの酔ってテンション上がってる若者でいっぱい。みんな綺麗な恰好をして、髪の毛もくるくる巻いちゃったりして、デニム&スニーカーの自分とのギャップが異世界かと思った!楽しそうで何よりです!

なんでこんなハイテンションなのかというと、舞台の内容が重すぎて無理にでもテンション上げていかないと世界観に引きずられそうになるからだよ!びっくりしたよ!

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一息つきまして… 

DDD青山クロスシアターは初めて行く劇場。旧青山劇場と旧ジャニーズファミリークラブのちょうど真ん中にあって、大通りから少し入った静かな通りに急に地下へもぐる階段が出現。ふんわりと良い匂いがすると思ったら、入口の花壇に白バラがたくさん!なんだかちょっと高貴な気分になったり。白バラの花言葉は『尊敬・純潔・約束を守る』……舞台の世界観とは全然違ったようだ。残念!

 

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スタッフのお姉さんの「オリジナルミュージカルDAYZEROにご来場のお客様はこちらの階段を下りてお進みください~」の声に導かれるように地下へと潜る。これがパラレルワールドへの入口とは知らずに。

 

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入口はとても小さく、トイレも見た限りでは女子トイレは3個室のみだった。そんなに混んでる様子はなさそうだったけど、気になる人は近くのショッピングビルなどでトイレを済ませてきた方が良さそう。

 

中に入ると…とにかくせまい!自分の中のジャニーズ公演で一番小さい箱はスクアッドをやった新国立劇場小劇場だったけど、その半分くらいしかない!!段差も結構あるからどの席からでも死角ほとんどなさそう。ショールームにおいてありそうなちゃんとした椅子が配置してある。座席動かす時に大変なんじゃないかな、なんて余計なお世話な心配をしながら開演を待つ。

 

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お客さんの年齢層は高め。ジャニーズの話をしてる人が多かったので福ちゃんのファンが多い模様。20代くらいの女性もいるし、男性もちらほらいました。演者さんの関係者かしら。

 ここで作品の紹介を。

・あらすじ

STORY

ニューヨークに住む幼なじみの3人の男性のもとに召集令状が届いた。30代になり、もう徴兵されることはないと思っていたのに…。21日後には今の生活を離れ、出征しなくてはならない。
着実にキャリアを積み重ねている弁護士。正義感の強いタクシー運転手。闘いには向かないと思っている小説家。
彼らの信念、勇気、愛……そのすべてが試される3週間。
DAY ZERO出征の日まで、誰を愛し、何を守れるのだろうか?

・キャスト

ジョージ・リフキン:福田悠太(ふぉ~ゆ~)
ジェームス・ディクソン:上口耕平
アーロン・フェラー:内藤大希
梅田彩佳
谷口あかり
西川大貴
ギター:中村康彦

・公演スケジュール

茨城・水戸公演(プレビュー公演):水戸芸術館ACM劇場(2018年5月25日(金)18:30・26日(土)15:00・27日(日)13:00、全3公演)

東京公演:DDD青山クロスシアター(2018年5月31日(木)~6月24日(日)、全34公演)

愛知公演:刈谷市総合文化センターアイリス(2018年6月26日(火)18:30、全1公演)

大阪公演:サンケイホールブリーゼ(2018年6月28日(木)19:00・29日(金)13:00、全2公演)

公式サイトはこちら

www.stagegate.jp

ここから作品の内容にはいっていきます。以下ネタバレ含みますのでご注意ください。

全体の感想

「このサイズの箱でマイク使うんかーい!」というのがしょっぱなの感想でしたが、物語が進んでいくに連れてそんなの関係なくなっていきました。

キャストはメインの男性3人、女性2人、1人何役もこなす男性の計6人。舞台転換もなく、音楽も基本ギター1本のみでここまで濃厚な世界観を作り上げていることに感動しました。

大道具が本当によくできている。セットの中にテーブルや椅子、ソファーを隠しておいて必要に応じて出したり仕舞ったりできるようになっている。舞台の上手・中央・下手に3人の男性それぞれの空間を上手に作っていて、各自の空間と集合する空間が分かれているので、パーソナルスペースで起きている事と、パブリックスペースで起きてることのコントラストがより心情に影を落としていて切なかった。

 

物語はニュース音声から始まる。異国でテロが相次いでいること。兵士の数が足りず徴兵制度が復活すること。その上限年齢を35歳まで引き上げたこと。

そして中学時代からの友人である3人の男性のもとに召集令状が届く。

 

私がこの物語で一番残酷だと思ったのは、徴兵までの猶予期間が「3週間」だということ。

自分のやり残したことを考え、後悔したことをやり直し、どうにか徴兵を逃れられないかもがき、時には思いもよらない愛情が生まれ、時には人の心を殺す。その間の3週間は短いように見えて酷く辛く、苦しい時間だった。私なら2日後とかにしてほしい。あれこれ考える暇もなく、いま目の前にある大事なこと、大事な人だけに集中してさっさと行きたい。

3週間もの間カウントダウンして過ごすなんて想像しただけでも、気が狂いそう。

 

そして「俺たちはそんなに悪いやつじゃない。でも良い人でもない。何もしていないから、何もしなかったからこの日が来てしまった」というセリフ(ニュアンス)。

戦争が対岸の火事だった、大変だとは思うけどどこか自分とは違う世界だと感じていたという3人。私はこのセリフがすごくアメリカっぽいなあと思いながら見ていました。アメリカって慈善事業や社会貢献を行うことが、ステイタスの一部だと考えられている印象があって。そうやって「誰かのために」何かをしたかどうかで悔やむというのが、あんまり日本ぽくないなあなんて考えてしまいました(この舞台はアメリカ映画が元になってるし)。

だって、じゃあその外国で起きている戦争のために自分たちが何かできたのか、と考えると反戦運動をしたり、戦争に行く兵隊さんを支援したり、戦災孤児を保護したり。そんな運動をくらいしか考えられなくて。その行動が徴兵されるか否かに反映されるかというと、そうゆうことではないと思う。

 

人間は自分の弱さや未熟さと闘い、時には逃げながらも、小さな幸せを探し、守り、重ねていくのに精一杯だし、それが「生きる」ということ。彼らはそういう意味では非常に人間らしいし、もがきながらも必死で生きてきた。決して「何もしてない」なんてことはない。

 

ラストに「徴兵にいく」以外の選択肢を得た3人。最終的にどの道を選んだのかは明確はされておらず、なんとなくそっちかな?という雰囲気が残されたまま観客にゆだねられた。

しかし、どちらの選択肢を取ろうとも、おそらくその先で後悔に支配され、その環境の中での自分なりの幸せを探していくのだろうと思う。それが「生きる」ということだから。

福ちゃんレポ

いやー!福ちゃん!すっかり役者さんの顔で(誰目線)!社会的ステイタスを得て自信に満ち溢れた一面と、いじめられっ子で弱気な一面が見え隠れしていて表情の変化に見入ってしまった。特にゲイバーにいって絡むシーン、奥さんと最後の夜を過ごすシーン、父からの突然の電話のシーンの表情の変化がすごかった。私は幸い下手側の席だったので、動作や表情が良く見えたのですが、上手側からは背中を向けてて見えないところもあったかと思うともったいない!下手側の通路は何回も福ちゃんが通るため、間近でそのバランスの良いウエストから足のラインが見れたことに感無量。

今回はダンスは無しだと思ってたけどちょこっとステップもやってくれたよ~!急なフクダ(SHOCKのダンスバリバリ福ちゃんが大好きなので、ダンスを踊る時は敬意を示してフクダ呼びになる)が出てきてありがとうございます。オタク心をわかってらっしゃるわ~。

あとやっぱり福ちゃんはノータックのスラックスにシャツですよね!ずっと見れて眼福でした。今度はカフスボタンの付け外しもリクエストさせてください!

 

いつまでも子供で、守りたいものに一生懸命な男性3人

三者三様に個性が違い、本人たちも「なんでお前と友達をやってんのかわからない」という関係。それぞれが絶妙なバランスでお互いを思いあっているのが、美しくもあり切なくもあり。

ヒーローに助けられた人⇔ヒーローでいたことを悔いている人

逃げてばかりいたという人⇔いてくれてよかったという人

弱みは強みであり、行動することは誰かにとっては足かせかもしれないが、誰かにとっては救いかもしれない。

 

3人を結んでいるタクシー運転手のジェームスのカリスマ性と寂しさのギャップがとても魅力的だった。こんな人いたら絶対惚れる。まさに「私のヒーロー」になってくれるような存在。しかしそのジェームズの強さが小説家であるアーロンをどんどん追い込んでいく。アーロンの最後を知ったときにジェームズは絶望の淵に突き落とされるんじゃないか。想像するだけで涙腺が潤む。

 

女性の登場人物が魅力的

モリー(弁護士福ちゃんの妻)

パトリシア(タクシー運転手ジェームズと良い感じの女子学生)

ジェシカ(弁護士福ちゃんと過去に事件あり)

 

女性役がそれぞれすごく良くて!男たちが自分のことで頭パニックになっている時に「あなたが残りの時間を落ち着いて過ごせるように笑顔でいるわ」な福ちゃんの奥さん。後半に奥さんが福ちゃんに対して「あなたは私の病気がわかった時に逃げずにそばにいてくれた」と励ますシーンがあって、奥さんがつらい時に傍で明るく受け入れてくれた福ちゃんがいたから、逆の立場になった時に同じように返してるんだなとわかって涙腺崩壊した。ジョージ(福ちゃん)!ちゃんと奥さんに伝わってるよ、ジョージの逃げない強さ伝わってるよ。

 

パトリシアは学生だからか考え方が子どもっぽいところがあって。それでもその屈託のない明るさがいろいろ抱えてきたジェームスにとっては「春の風」のように心地よかった。

また、2人の兄に囲まれてのびのびと育ってきたパトリシアにとってはジェームスは自分を守ってくれる「陽だまり」のような存在だった。

子どもと子どもの恋愛のようだけど、この二人が公園で話しているシーンは舞台の中でも唯一の癒しだったし、いつまでもこんな風景が続いていけば良いのにと思った。

最後に、若さ故か突発的な提案をするパトリシアに対して、ジェームズは受け入れるのか、突き放すのか。どちらを選んでも二人には辛い道なのが切ない。

 

ジェシカはなんというか…、女性として衝撃的で。ジョージはなんでこんな話を人に話せるのか。ましてや会いに行って謝罪なんてとんでもないことがなぜできるのか。ていうかジェシカの兄さんはなんで居場所教えてんの!男性のデリカシーの無さと卑怯さがギュッと詰まったジェシカのシーン。ジョージが家に尋ねてきたときも怖かっただろうし、改めて公園に呼び出すのも相当の覚悟が要ったはず。それでも言わずにいられないくらい強い衝動があったのかと思うと、ジェシカの気持ちを想像するだけで辛い。ジョージとその仲間は一生悔いて過ごせばいい。毎日机の角に小指をぶつける呪いと、傘がない時に限って大雨になる呪いと、前の人が必ず自動改札に引っかかる呪いにかかればいい。トイレにいく度にトイレットペーパーが5cmしか残ってないし、ビールは全部振られてて泡が吹き出す呪いもかけておいた。

 

終わりに

この舞台を観劇したあと、多くの人が「自分なら3週間をどう過ごすか」を考えるんじゃないだろうか。家族と過ごす、仕事を頑張る、したいことをする、会いたい人に会う…色々な選択肢があると思う。アーロンみたいにリストを作ってひとつづつ潰していくのもいいね。

1つ言えることは「その日」は、何十年後かもしれないし、3週間後かもしれないし、明日かもしれない。実際「あと3週間ね」と言われたら、「いやいや、来月にツアーあるし!それにまだ見たい映画もあるし、行きたい国もあるし。」ってなるかもしれない。

それでも私は「いつ死んでも良い」と思える人生を送りたいし、そうゆう気持ちで日々を生きたいと思ってる。我慢とか身体に毒。やりたい事をやるための我慢ならある程度するけど、やりたい事に影響がでるような我慢はしない。

まあ、最悪映画や旅行はあの世から見に行くし、ツアーだって幽霊になって参戦してやる。全ステ最前し放題だぜ!くらいの気楽さで考えてるので、ある日突然私がいなくなってもあんまり心配しないでください。私は幸せですし、幸せでした。

 

今の世界情勢を見ていると、近い将来にこの舞台のようなことが実際に起こるかもしれない。外国人の友人で徴兵に行った人もたくさん知っている。たまたま日本に生まれて、たまたま不自由なく暮らせている。ただそれだけ。その幸せはいつ突然奪われるかわからない。

 

「その日」が来る前に、あなたはいま、何をしますか。

 

 

entre-news.jp

natalie.mu