泣いて笑って夢見る明日

嵐、宇宙Six、A.B.C-Zを中心としたJ事務所のコンサート、舞台活動のレポとオタ活情報

2020年に見る「PLAYZONE 2009 太陽からの手紙」

在宅期間中に歴史の勉強をしようと手を出したのが「PLAY ZONE2009 太陽からの手紙」のDVD。持っているPLAY ZONEのDVDの中で一番古いから、という理由だけで選んだのだがこれが大正解。とても面白かった。演目そのものはもちろん、「2020年に見る」からこそ感じられる面白さがあったので紹介したいと思う。

 

以下ネタバレを含んでいます。ご注意ください。

 

PLAYZONE2009 太陽からの手紙 [DVD]

PLAYZONE2009 太陽からの手紙 [DVD]

  • 発売日: 2009/12/02
  • メディア: DVD
 

「PLAY ZONE2009 太陽からの手紙」の位置付け

もともと少年隊が長く続けていた公演シリーズであるPLAY ZONE。2008年を最後に少年隊の手から離れ、2009年は後輩がその看板を引き継いだ初めての公演になる。少年隊の印象が色濃く残っている2009年ではあえて明らかな主演を設けずに、個性豊かなメンバーの群像劇に落とし込んでいる点が面白い。作・演出を錦織さんが担うことでPLAY ZONEらしさを引き継ぎつつも、粗削りな若い魅力がぶつかることによる化学反応を楽しむような構成になっている。

 ジワジワと湧き上がってくる魅力

出演者達はほぼ20歳前後、セリフ回しも舞台での立ち回りも未熟さが抜けきれず、見ていられない時もある。たまに、ではなくかなりの頻度で挿入されるギャグも正直しんどい。時事ネタは古いし、彼ら個人のキャラクターを知っていなければ理解できないものもある。最初のうちは「選ぶDVDを間違えたかな」と思いながら見てた。

しかし1幕の終わりから2幕にかけてその感想が180度変わった。つまり1幕は少年たちの成長劇であり、1幕は2幕に向けてのプロローグでもあった。1幕終わりから2幕のショータイムで顔つきがガラッと変わり、自信を背負った彼らを見ると、1幕頭のたどたどしさすら演技だったのではないかと思わせてくる。これはやられた。

この仕組みに気付くと、終わった後にまた冒頭から見たくなってしまうという無限ループの世界に入り込んでしまう。

 今だからこそ響くメッセージ

「橋を渡ってきた少年」という謎のメールが劇中に時折差し込まれる。抽象的な内容で最初はよく意味がわからなかったけど、1幕の最後に夕日に向かって少年たちのシルエットが消えていく姿を見てハッとした。

「大人でも子供でもない年齢」の若者たち、今までいくつもの橋(ここでは仕事とも困難とも努力や経験とも取れる)を渡ってきて今まさに彼らは桟橋に立っているところだった。2009年の桟橋だ。桟橋に立ち、次なる旅に出ようとする若者たちの姿が描かれている。その後の彼らの航海の一部を私は知っている。そう、2009年のこの後、彼らの身に何が起こるのか知っているのだ。そう考えると胸にこみあげてくるものがあった。

 PLAY ZONE版大乱闘スマッシュブラザーズ

粗削りな若さと果てない野心が魅力の7人…Kis-My-Ft2

実力が支える舞台強さで駆け回るアウトロー…屋良朝幸

再起復活を図る浪花の貴公子…内博貴

 

経歴も魅力もバラバラなこの3つのキャラクターがメインになって進んでいくのだが、まったく相容れない。びっくりするほど迎合しない。ストーリーとしては最初は反発しながらも分かり合う、という王道の流れではあるけどいやいや、全然交じり合ってないですよね?っていう。それぞれが「俺を見ろ!」とばかりにぶつかり合っている大乱闘状態。それがすごくいい。2幕のショータイムなんて好きな事しまくっていて、バラエティパック。それがいい。あなたの好きなジャニーズはどれ?私はこれ!って観客が選べる。

最年長の屋良くんですら20代半ば。全員まだまだこれからやってやるぜ!という野心がギラギラしていて、眩しくて最高。これがあの研ぎに研ぎ澄まされたのちのPLAY ZONEの始まりだと思うとワクワクする。

脇を支えるQuestion?、They武道、M.A.Dも確かな実力はありながら個性が全然違うのがまた良い。「こことここが一緒にやるとこんな風に変化するんですね!」というバリエーションの豊かさも舞台を彩っている。

 太陽からの手紙とは

屋良「夢を売る仕事だってよく言われますが、僕はみなさんから沢山の夢を貰っている気がします。夢に向かって突き進む道が辛く険しいほど最後に拍手をいただいた時の感動は計り知れません。すぐそこに感動が待っている。そんな幸せを僕は愛して止みません。」

軽快なテンポで続くお芝居の中でたまにこのような、観客に対しての言葉がはさみこまれる。彼らの「夢」とは観客の拍手とセットになっていること、PLAYZONEという世界の基礎となる価値観をサブリミナルで挿入してくる演出に錦織さんからのメッセージを感じた。

内「今回の仕事をいただいてどうしよっかなって、たじろいでいる俺の背中を押してくれたのは関西のファンの人達だったんだよ。」

この後、太陽からの手紙とは一体何か、その答えが内くんの口から語られる。そのメッセージはその後のPLAY ZONEまで、いやPLAY ZONEを経た全てのキャストの中に息づいているのではないか。

 迫力のショータイム

少年隊コーナーでの世界観のある美しい群舞、音楽の力強さを全身で感じるバンド、エネルギッシュなキスマイコーナー、どれも見ごたえがあり、私が当時のオタクなら「2幕だけでチケット代の元が取れる」って絶対に言ってる。オリジナル曲含め楽曲が本当に良い。

あと少年隊の曲ってなんでこんなにテンションが上がるんでしょうか。

最新が一番良いはずなのに過去の映像で新たな魅力に気づく。だからオタクは楽しい。舞闘冠のパフォーマンスを見れたのも嬉しい。キャスト全員のFIRE BEATは圧巻。劇場で見たかったなあ。

 おわりに

Johnny’s World、SHOCK、DREAM BOYS、滝沢歌舞伎、少年たち…など数々のジャニーズ舞台。このどれか1つでも思い入れがある人ならこの「PLAY ZONE2009 太陽からの手紙」の中に何らかのメッセージを見つけることが出来ると思う。11年前の若者たちの葛藤と輝きをギュッと閉じ込めた宝箱のようなこの舞台。

藤ヶ谷「俺たち若者は中途半端なんだ。しかしそれは輝かしい中途半端。」この言葉にジャニーズの魅力の核となるものが詰まっていると感じた。

見るたびに新たな気づきが見つかる不思議な魅力を持った作品。ぜひ、また定期的に見返していきたい。

出演者一覧

Kis-My-Ft2(北山宏光、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、千賀健永、横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣)

Question?(後藤泰観、石垣大祐、淀川由浩、藤家和依、伊郷アクン)

They武道(山本亮太、江田剛、林翔太、高橋竜)

M.A.D(川村陵、加藤幸弘、武内幸太郎、前田紘利T.J、池田優、野田優也、松本幸大、小野寺一希)

 

大塚祐也、岸本慎太郎、田中樹、吉野翔太、七五三掛龍也、栗田恵、秋山大地、城之内竜也、今野貴之、村治将之助

 

京本大我、アンダーソン・ケイシー、川島如恵留、植草裕太

 

内博貴

屋良朝幸

 

 宇宙Sixの過去の出演作品をまとめています。

www.panana.work