劇団とジャニーズJr.グループがコラボレーションして作る舞台。これだけでも異色だがさらにその劇中歌ライブを劇場で行う。こんなの聞いたことないのに「宇宙Sixと30-DELUXがまた面白いこと考えてくれた」とすんなり受け入れられる。それこそがこれまで築いてきた信頼関係そのものだ。
会場には宇宙Six担がもちろん多いが、根底に「のべつまくなし」という作品に対するリスペクトがあるファンが集結するので否応にも熱が上がる。とにかく会場中が盛り上がっていた。
そもそも劇中歌にC&Rがある曲が存在するってどうゆうこと?いままで歌いたくて、叫びたくてウズウズしてたファンの熱量がここに来て一気に爆発。のべつまくなしファンの叫び声が三越劇場を揺らした2日間のお話し。
セットリスト
口上(浅野)
♪のべつまくなし
将軍フェスの開幕
♪ジャスティスプライスレス(奉行所メンバー×赤穂浪士)
♪伝えたいこと(浅野、赤穂浪士)
フェスMC(ぶんたもんた、団子屋、餡子、徳兵衛)
♪葉隠(赤穂浪士、大岡、遠山、団子屋、ぶんもん)
♪幕の内でしょう?!(30-DELUX)
トークタイム
雪切りの登場
♪リユニオン(改ver.紀伊国屋×ヤス)
♪私だけ(無印ver.近松×仲間達)
お初と徳兵衛
レビューショー
♪Rocket Spark(宇宙Six)
♪Seasonz
♪Shine
挨拶
♪Show Must Go On
アンコール
♪Make My Day
♪Shooting Star
ダブルアンコール(最終回のみ)
♪Shine
ほぼファン感謝祭
舞台の劇中歌をそのキャストの衣装で披露するので、まず舞台を見ていないと内容が分からない。アンサンブルもしっかりと登場するので「のべつまくなし」が好きな人だけが集まるファンミーティングと言っても良い。私は舞台のファンミーティングというものに参加するのが初めてだったので、とても、とても新鮮だった。
衣装のポイント、実はやってみたい役、空き時間に何をしていたか、殺陣や振付の稽古時のエピソード、小ネタが生まれた背景などなど、ファンにはたまらない内容がトークで語られる。
2日目には客席から質問を募集するコーナーが急に生まれて、ああゆう場面で挙手できるファンは本当に勇気あるな~なんて思いながら、ファンとの信頼関係を感じる1幕だった。
宇宙Sixファンだけでなく、笠松はるさんや30-DELUXのファンが団扇を用意して熱心に応援している姿を見れたのも胸にキた。舞台はみんなで作るもの。
葉隠のキタコレ感
冒頭の重いビートからの転調。「やすべえ!」のC&Rで一気に会場のエンジンふかすぜブルンブルン!安兵衛「♪知りたくないかい?」ファン「知りたい!」で安兵衛ガールズの心がひとつにまとまったら、胸キュンパート「♪ハニートースト食べさせて甘えさせて」をアイドル越前に取られて悔しがる激かわ展開つき。
最後に全員横並びで肩を組んで「♪だーれーもーもーとめてないぜー!!」俺たち3年A組大合唱しているけど、画面の端では肩を組もうとする団子屋を手でガードするドSのモン太。
一曲に情報量が多すぎる(笑)
「劇作家 近松門左衛門」ならぬ「演出家 江田剛」
今回の「のべつまくなしライブ」もとい「将軍フェス」は「劇作家近松門左衛門」が演出したという設定になっている。おそらく実際に江田くんが演出に関わっていると思われる。
のべつまくなし改が終わって数日後にのべつまくなしライブがあったので、舞台をやりながら流れを考えて稽古をしていたと想像できる。
えっ?あれだけ体力を使う舞台をこなしながら、次の仕事も一緒にやってたの?前回のどを壊したから体調には相当ナーバスになっていただろうに、その中で演出の仕事をしていたのはマジでヤベエな。ジャニーズっていい意味で恐ろしいな。
旅に出た4人が久々に江戸に帰ってきて近松プロデュースで将軍フェスをやるという設定が、原作の世界観を一切壊してなくて天才かと思った。その中で違和感なく曲中に別のキャストを登場させたり、躍らせたりする導線も考える江田剛…、神か、江田神か。亮ちゃんも新しい振付作ってたよね。確か殺陣ものべつライブ用に一部新しくしたって言ってたかな。
先生!この人達頭おかしいです!(褒めてる)
ここから始まった曲「Shooting Star」
スクアッドの最高にかっこいいオープニング曲「Shooting Star」。すっごい良い曲なんですよ(大声)!疾走感がありながらもどこか刹那を含んでいて、決意も感じさせる。30-DELUXさん、宇宙Sixにこの曲くれませんか?!
特にたまらんポイントとして「歌詞と登場人物がリンク」しているんです!
1番Aメロ
「血をこなよく愛して 闇の夜を我が物に」→ブラド(村瀬/吸血鬼)
「継ぎ接ぎの体 『理想の体』を得た」→ビクター(江田/フランケンシュタイン)
2番Aメロ
「満月の夜更けには 光浴び 目を覚ます」→ウルフ(原/狼男)
ここをね、ここをそのキャラクターを演じた人とそのバディが舞台の上でにこにこと体を揺らしながら歌ってるんですよ!!!(号泣)私の大好きなバディであるビクター×一神寺がまた見れるとは!!!(死亡)
ご褒美です。大ご褒美。盆と正月が一気に来た。このメンバーだからこそできた企画ですよね。これ考えたの誰ですか?いくらか払わせてお願い…。
ちなみに原くんのバディだった大山くんは30-DELUXから抜けたので、同じくスクアッドに出てた中村くん(目黒くんのバディ)と歌ってました。可愛かったぁ。
山本くんはバディの大成くんと歌えて楽しそうだったなあ。大成くんはのべつ改から劇団に復帰したのでこのタイミングでなければ見れなかった組み合わせ。縁ってやつですね。大成くんがすっかりエイリアンになられて。大成くんは宇宙Six側でなくエイリアン側なんですね。ようこそ。
サビでみんなが客席降りするから一人舞台に残って歌詞カードを見ながら一生懸命歌ってる清水さんもプライスレスでした…パパありがとう。
宇宙Sixと30-DELUXの2年間
ジャニーズとして初めてのグループ全員での客演舞台。
30-DELUXとして初めてのジャニーズグループとの共同制作舞台。
お互いに初めての試みとしてこのコラボレーションは始まった。
清水さん「日本のショービジネスを担うであろうサラブレッド達。彼らには超一流のエンターティナーとしての階段を登って貰いたい」
こんな力強い期待とともに始まった2018春。ここから約3年後の2020年新春の清水さんの言葉。
「宇宙Sixはこの2年半、お芝居と殺陣が上手くなってもう僕が伝えられることは全て伝えた。殺陣と芝居が得意な集団と言っていいと思う。その反面この2~3か月で危機感を覚えるようになった。例えばまた「のべつまくなしやりたいです!」と言っても、宇宙Sixはこの数ヵ月でどんどん進化してもっと先まで行ってしまう。そのペースについていけなくて足を引っ張ってしまう。今度やる時はもう少々お時間をいただいて、その間にうちのメンバーを改革していきたい。」
演技経験がほとんど無かった宇宙Sixメンバーが30-DELUXと出会うことで得れたものの大きさを実感する。私たちには計り知れないほどの努力や葛藤があっただろう。それでも客席から感じる空気はいつも温かった。その空気が好きだった。
宇宙Sixに無くて30-DELUXメンバーにあるものもたくさんある。殺陣はもちろん、発声や活舌、歌唱力、演技に対する貪欲さ、舞台に対する深い深い情熱…。こんな素晴らしいメンバーと宇宙Sixが協業できたことを誇りに思う。
最後に
主演が松本→江田(山本)→山本(江田)と続いて次の舞台は原くんメインかな?30-DELUXさんとなら絶対に良い舞台になるから楽しみだな。なんてのんきに考えていましたが、清水さんからしばらくはコラボレーションは無いという話があり、正直とてもとても寂しいです。エイリアンにも30-DELUXのメンバーを好きになって一緒に応援してる人が沢山いる。何よりコンテンツに絶対的な信頼があったから、無くなるのは悲しい。悲しい。
どれミゼラブルの一節、「また会うかもしれないし、会わないかもしれない。風の噂で頑張ってると聞くと自分も頑張ろうと思う。それが役者の仲間です」
いつか両者の道が再び交わる日が来ることをこころから願っています。その時まで元気にオタクできていますように。
4作品を通して関わってくれたみんなが宇宙Sixファミリーの一員だと思っています。30-DELUX側も同じように思ってくれていると嬉しいな。こうやって仕事を重ねていくたびに大切な家族が増えていく。それを一緒に見守ることができる事がとても幸せだなあと思います。
宇宙Sixははじめから30-DELUXにこれでもかと迷惑をかけていました。約2年間ずーっと迷惑かけっぱなしだったのに、宇宙Sixメンバーのことを親のように見守り、教師のように導き、ぼろぼろのエイリアンの心を何度も何度も包みこんでくれました。感謝してもしきれません。武藤さん、我さんも含め大好きです。
2018年3月から2020年2月まで。たくさんの愛と笑顔と優しさをありがとうございました!また、いつか会える、その時まで。
山本「宇宙Sixと30-DELUXの絆なめんなよ!!」